特徴
15年を超える計器用変流器は今後の使用に不安が残ります
長年ご愛顧頂いておりますモールド形計器用変流器は、経年劣化による事故が増えています。その主な原因は
- ●内部に熱による絶縁異常(放電・ボイド・亀裂)が発生した場合
- ●有機材料特有のトラッキング現象が発生した場合
- ●気中にさらされている絶縁材料が汚損吸湿し、絶縁性能が低下した場合
モールド形計器用変流器は、性能が低下すると全く回復性が無く、劣化が進行していくため性能維持が困難となる、環境劣化の影響を受けやすい製品です。工場持ち帰り劣化診断から判断して、使用後15年~20年が更新時期と考えられます。
寿命を決める要因
- ●モールド形計器用変流器は部品の交換および修理ができない構造です。
寿命を決める要因は次の通りで、単独、複合的に作用します。
絶縁劣化の種類 | 要因 | 進行プロセス | |
---|---|---|---|
熱劣化 | 熱 | 酸化、熱分解 →機械的強度低下、吸湿性増大など | |
電解劣化 | 部分放電劣化 | ボイド(クラック、剥離、気泡) | 酸化、孔 →絶縁厚さ減少 →貫通破壊 |
トリーイング | 突起、異物 | ||
応力劣化 | 熱応力、ヒートサイクル、振動応力 | 変形 →ボイドの発生、進展 | |
環境劣化 | 湿気、塵埃など | 汚損、吸湿 →絶縁抵抗低下、トラッキング |
(電気学会技術報告(Ⅱ部)第225号より)
絶縁方式、基準など技術が大幅に向上
下記更新表のように更新されますと
- ●絶縁方式が変わり、絶縁性能が大幅に向上します。
- ●部分放電性能はコロナフリーで管理し、絶縁の信頼性が向上します。
- ●小型、軽量になります。
既設機種 |
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CW/CDシリーズ (エポキシレジン) |
TN(C)-O(A) (ポリエステルレジン含浸) |
EC-O、BN-O他 ブチルゴム |
BWシリーズ ブチルゴム |
BZ-O/S1/S4 ブチルゴム |
BZ-S、SS1 ブチルゴム |
更新機種 | 互換性について |
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CW/CDシリーズ (エポキシレジン) |
一部互換性有るが個別検討要 |
EC-O(LA) BN-O(LA) (メルキッド) |
EC-O(LA)は互換性有るが他は無し |
BSシリーズ(貫通型) (エポキシレジン) |
互換性無し |
BZ-□A/E/H (エポキシレジン) | |
BZ-120SA (エポキシレジン) |
ブチルゴムモールド | 高圧押出し成形 |
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メルキッドモールド | 真空注型形 |
準拠規格・定格事項
1100V以下 計器用変流器(CWシリーズ)
JIS C 1731
形式 | CW-5L | CW-15L | CW-40L | CW-5LP | CW-15LP | CW-40LP | CW-15LM | CW-40LM |
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回路電圧(kV) | 1100V以下 | |||||||
定格電流(A) | 60~750/5 | 100~750/5 | 150~750/5 | 1~50/5 | 1~50/5 | 1~50/5 | 150~750/5 | 200~6000/5 |
60~750/1 | 100~750/1 | 150~400/1 | 1~50/1 | 1~50/1 | 1~50/1 | 150~750/1 | 200~2000/1 | |
定格負担(VA) | 5 | 15 | 40 | 5 | 15 | 40 | 5 | 15 |
周波数(Hz) | 50/60 | 50/60 | 50/60 | 50/60 | 50/60 | 50/60 | 50/60 | 50/60 |
過電流強度(倍) | 40 | |||||||
過電流定数 | - | |||||||
確度階級(級) | 1.0 | |||||||
用途 | 一般計器用 | |||||||
使用場所 | 屋内 | |||||||
備考 | ケーブル配線用丸窓貫通形 | 小電流用一次巻込形 | ブスバー配線用角窓貫通形 |